「アーユルヴェーダ」は、ヨガをやっている方であれば1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アーユルヴェーダとは5000年前にインドで生まれた伝統予防医学で、ヨガとは発祥時期も発祥場所も同じことから密接な関係にあると言われています。今回は、アーユルヴェーダの基礎的なことについてとアーユルヴェーダをヨガに取り入れる方法について紹介します。
アーユルヴェーダにおける5大エネルギーとドーシャ
全てのものを構成する5大エネルギー
アーユルヴェーダでは、「地」「水」「火」「風」「空」の5つのエネルギーが、世界に存在する全てのものを構成していると考えられています。以下にそれぞれのエネルギーの性質を示します。
エネルギー | 性質 |
---|---|
地 | 安定, 重さ, 硬さ, 密度, 広大さ |
水 | 涼しさ, 湿っぽさ, 滑らかさ |
火 | 情熱, 熱さ, 鋭さ, 変わりやすさ |
風 | 自由, 乾燥, 軽さ |
空 | 心のゆとり, 落ち着き |
体調や心の変化を表すドーシャ
次に、ドーシャについて説明します。ドーシャとはこれら5つのエネルギーを組み合わせてできるアーユルヴェーダの3大性質であり、それぞれヴァータ、ピッタ、カパと呼びます。このドーシャの量が変化することによって、体調や心が変化すると言われています。したがってドーシャのバランスを整えることで、体調や心の変化を改善させることができるということです。人によって、どの性質を1番持っているかはある程度決まっていますが、季節、年齢、時間帯、天気によっても変化すると言われています。
初めに3つのドーシャの性質について紹介します。
ドーシャ | エネルギー | 性質 |
---|---|---|
ヴァータ | 風・空 | 直感力, ひらめき, フットワーク |
ピッタ | 火・水 | 機転, 集中力, 思考 |
カパ | 地・水 | 穏やか, 落ち着き |
アーユルヴェーダをヨガに取り入れる
先ほどドーシャは、様々な要因によってそれらの強さが前後すると紹介しました。ドーシャを調整する方法として、食事療法やマッサージなどがありますが、1番効果的なドーシャを調整する方法は、ヨガだと言われています。様々な要因に対して私達がどんなヨガをすべきか紹介します。
年齢によるドーシャの変化
5~60歳
ピッタが多くなりやすく、集中力が途切れやすくなります。木のポーズや猫のポーズ、壮美のポーズを取り入れることによって集中力を高めましょう。
60歳~
ヴァータが多くなりやすく、ストレスが溜まりやすくなります。シニアヨガを取り入れることで、ストレスを緩和させましょう。シニアヨガについては次の記事を参考にして下さい。
季節によるドーシャの変化
春
カパが溜まりやすく、手や足がむくみやすくなります。ヨガに英雄のポーズや三角ポーズを取り入れて、むくみを解消しましょう。
夏
ピッタが溜まりやすく、消化力も落ちやすくなります。ヨガに船のポーズを取り入れて、腹筋を温めて消化力を上げましょう。
秋冬
ヴァータが溜まりやすく、ストレスが溜まりやすくなります。ヨガにヴィパリタカラニのポーズを取り入れて、心身ともにリラックスさせましょう。リラックス効果の高いグンダリーニヨガについては次の記事を参考にして下さい。
天気によるドーシャの変化
雨
カパが溜まりやすく、手や足がむくみやすくなります。春と同様に、ヨガに英雄のポーズや三角ポーズを取り入れて、むくみを解消しましょう。
晴れ
ピッタが溜まりやすく、消化力も落ちやすくなります。夏と同様に、ヨガに船のポーズを取り入れて、腹筋を温めて消化力を上げましょう。
くもり
ヴァータが溜まりやすく、ストレスが溜まりやすくなります。秋冬と同様に、ヨガにヴィパリタカラニのポーズを取り入れて、心身ともにリラックスさせましょう。
時間帯によるドーシャの変化
朝(6~10時)
カパが溜まりやすく、色んなメッセージが体内に入ってきます。この時間帯に瞑想を取り入れることで、ゆっくり1日について考えることができます。
昼(10~14時)
ピッタが溜まりやすく、熱も溜まりやすくなります。この時間帯にヨガを取り入れることでダイエット効果が狙います。ただし、食後は消化が始まるので、ヨガをするのは昼食の前にしましょう。ダイエット効果の高いシバナンダヨガについては次の記事を参考にして下さい。
晩(14~18時)
ヴァータが溜まりやすく、落ち着きがなくなりやすくなります。自律神経を落ち着かせるためにも、ヨガにリラックス効果の高いヴィパリタカラニのポーズを取り入れて、心の興奮を抑えるようにしましょう。
まとめ
アーユルヴェーダとヨガの関係について紹介しました。個人によって、どのドーシャが多いかというのはある程度決まっていますが、天気や季節、年齢などによってもドーシャの量は前後すると考えられています。まずはインターネットや本で自分がどのドーシャを多く持っているのか調べて、それにプラスして様々な要因によるドーシャの量の変化を考えるようにしましょう。そして、ただ闇雲にヨガをするのではなく、ドーシャの考えを取り入れることで、今までよりもワンランク上のヨガをしましょう。