インドのアシュラムで1週間ヨガ修行してみた。

普段グルガオンで働いていている私が長期休暇を利用してインド人の友達と1週間のヨガリトリートに参加した経験を書かせていただきます。リシュケシュはヨガのトレーナー育成で非常に有名な地ではありますが、実は1dayヨガ体験や1週間ヨガのアシュラム(ヨガ道場みたいな場所)に滞在し、一日中ヨガの世界にどっぷり浸かることができます。普段運動不足な成人男性がどのような変化があったでしょうか。

アシュラムとは

アシュラムとは修行をする場所という意味があります。ヨガを「人生そのもの」と考えるインドでは、瞑想やアーサナを行うためだけの場所ではなくて、朝起きたときから、寝るまで、寝ている間も学びと考えます。アシュラム滞在し、生活する上ですべてのことが修行なのです。

また、インドには多くのアシュラムがありますが、外国人が滞在できないところもおおくあります。しかし、インドのリシュケシュでは多くの外国人がヨガ留学に来ていることから、外国人でも滞在できるアシュラムが多くあります。

インドのアシュラムで1週間ヨガ修行とは

リシュケシュ アシュラム周辺

アシュラムに到着

アシュラムはレストランや有名なアシュラムがあるリシュケシュの中心部ではなく、リシュケシュの中心から車で10分ほど進んだガンジス川沿いの谷の側面にあります。小さなアシュラムではありますが、30名程度宿泊できる個室と3つの道場、食堂、さらに食事はほとんど自家栽培らしく裏には農園がありそこで野菜を育て、牛舎(ミルク用?)もあります。

ガンジス川を感じるアシュラム

アシュラムは塀で囲まれてメインエントランス、農園へと続く裏の出口、もう一つの小さな鍵付きの出口を出ると目の前に広がるガンジス川、そしてガンジス川の向こう岸には山が佇み、まさに”隔離”された理想のヨガ修行が期待できました。

アシュラムのあるリシュケシュとは

リシュケシュはヒンズー教の聖地であり多くの寺院があります。そのためインド中からやってきたたくさんの巡礼者やサドゥー(ヒンドゥー教におけるヨガの実践者や放浪する修行者の総称)の姿が目立ちます。またリシュケシュはヨガの聖地であり発祥の地としても知られており、世界各国から多くの修行者や観光客がヨガを習うためにここにやってきます。ヨガや自然豊かなリシュケシュならではのアクティビティを楽しみながらゆっくりと時を過ごすことができます。

リシュケシュに関する記事は以下をご覧ください。
ヨガ発祥の地リシュケシュ滞在体験記
インドヨガの聖地リシュケシュの気候
散歩して発見したヨガの聖地リシュケシュの魅力
インドヨガの聖地リシュケシュ

1週間インドのアシュラムヨガ修行の生活

リシュケシュ ヨガ

アシュラムの朝

アシュラムの朝は非常に早く朝5時に起床し、瞑想や呼吸、そして鼻の洗浄を行います。この鼻の洗浄がなかなか行ったことのない体験で、ガンジス川の水(上流なので非常に綺麗ですが、冬だったので氷水です)で鼻から水を入れ、口から出します。その後、朝食を食べ朝のヨガが始まります。私のヨガのイメージはストレッチの延長程度だと考えていましたが、呼吸に始まり、ポーズ、そしてアクティブに体を動かす動きなどがあり、2時間で体は熱を帯び、驚異的なまでの爽快感があります。

アシュラムでの一日

お昼頃になると昼食を済ませ、自習の時間になります。気持ちの良い天気が続いていたので外でお昼寝をする参加者やガンジス川で瞑想をされる方などそれぞれの過ごし方があります。15時ごろからヨガの知識に関するお勉強の時間があり、それが終わると夕方のヨガの時間になります。夕方のヨガは筋トレのような負荷のかかる動きが多くて毎日筋肉痛になっていました。その後、お祈り、夕食、瞑想、などが続き20時ごろには解散になります。長い1日を終え私はガンジス川のせせらぎを聞きながら就寝しました。

一日のスケジュール

5:30 Wake-up bell 起床
6:00 Meditation 瞑想
7:00 Pranayama 呼吸法
7:15 Yoga Asana ヨガ
9:00 Breakfast 朝食
10:30 Meditative Walk 散歩
12:30 Lunch/Tea time 昼食
15:00 Lecture & Discussion 座学
16:00 Yoga asana ヨガ
17:45 Pooja プジャ
19:30 Dinner 夕食
20:30 Meditation 瞑想

インドのアシュラムヨガ修行生活での変化

リシュケシュ 食事

体の変化

ヨガ生活をしている中で自分の体にいくつかの変化がありました。一つ目は食事に対する体の反応。滞在中は体に良いものしか食べません。消化に時間のかかる肉や魚、油はもちろん加工品すらありません。そして規則正しい生活とハードな運動をしているので、食事の時間になり食前の瞑想をしている時に涎が止まらなくなるのです。人の体は単純で環境を変えるだけで動物としての反応が激変します。こんなにも自分の体を意識した生活は人生で初めてだったので、非常に感動したことを今でも鮮明に覚えています。

精神的な変化

二つ目は瞑想に慣れていくにつれ精神的な安息感を得られるようになったこと。毎日2,3時間は瞑想を行いますが最初は非常に苦痛でした。何もしない、何も考えてはいけない時間。人生はあまり体験のしたことのないような時間です。ヨガの先生は心をガンジス川とコネクトしなさい。あなたはガンジス川の一部で母なる大地を流れる小さなものだと、今感じているもの、聞こえるものになりなさいと小さな声でゆっくり復唱しています。最初の2,3日は時間が経つのをただただ待つだけの時間でしたが、後半は本当に自分が耳から聞こえて来るガンジス川の一部になったのかのように長い時間だけどもあっという間であり、寒い部屋だけど包まれているような温もりを感じれるようになってきました。生徒の中には泣いている生徒もいたぐらい、各々精神的な安息を感じていたのではないかと思います。

1週間インドのアシュラムでのヨガ修行費用

安い費用で満足

今回のインドヨガ修行では、食事は全てコースに含まれていましたしリシュケシュの山に篭って1週間過ごしたので、余計なお金は一切かかりませんでした。普段行けない場所で普段出来ないことをすることができたので非常に満足していますし、おすすめできる体験だったと思います。このインドヨガ修行コースではRYTなどのヨガ資格は取得できません。ヨガインストラクターを目指している方は1週間ヨガ修行とは別アシュラムになりますがこちらの全米ヨガアライアンスRYT200資格コースを確認してみて下さい。

費用内訳

費用 金額
受講料 60,000円
移動費 20,000円
往復航空券 70,000円
合計 150,000円

※別途インドの消費税18.00%が適用されます。

まとめ

このような体験を通じてリシュケシュでのヨガは私にとって自分自信のことを見つめ直す良い機会となりました。ただの旅行ではもの足りたい、人生で体験したのことないようなことを体験したい、そのように考えてインドに来られる方はたくさんいるとは思いますが、私はリシュケシュでのヨガアシュラムで過ごすことを強くお勧めいたします。リシュケシュでのヨガは人それぞれによって定義が異なりますが、それを見つけるような滞在も素敵なのではないでしょうか。

アシュラムに関する記事は以下をご覧ください。
リシュケシュ滞在中に発見したおすすめのアシュラム5選 

ヨガ留学に興味ある方は以下の体験談も参考にしてみてください。
【インドヨガ留学体験談】ヨガの聖地リシュケシュで心も体も健康になった30代男性がインドヨガ留学をすすめる理由
【インドヨガ留学体験談】30代女性がインドでのヨガ留学を通して得た新たな発見

【インドヨガ留学体験談】ヨガの聖地リシュケシュで心も体も健康になった30代男性がインドヨガ留学をすすめる理由

ヨガを始めようと思ったきっかけ

健康に無頓着だった20代

20代のころはとにかくがむしゃらで仕事のために生きてるという感じで、毎日遅くまで残業をして土日出勤も度々ありました。そのため健康なんて二の次で運動なんてもってのほか毎日、晩御飯はカップラーメンといった具合でしたが若さに頼るのも限界がありついに体を壊してしまい、それからは健康にも気を遣おうとジムに通うことにしました。そこのジムにはヨガのクラスがあり、1回目は無料で体験できるということなので興味本位でやってみることにしました。「女性のためのエクサザイズ」という認識が当時はありましたがやってみるとヨガは意外に奥深く、気が付いたら毎日ヨガをする習慣がついていました。

ヨガは無理なく継続できる

ヨガは僕の不規則な生活習慣にぴったり当てはまるエクササイズでした。休日は出不精な僕でもヨガは外に出る必要はなく家でもできますし、なにより朝の電車を1本はやめできてしまった時や休憩時間にも気軽に行えるのがとても僕の性に合うと感じました。僕は今日あった仕事の失敗や、明日の仕事に対する不安などを家にも持ち帰ってしまう癖があるのですが、ヨガをするだけでそういった不安感を消しとばし、0にリフレッシュすることができます。そのためヨガをしたあとは快眠することができ、次の日の朝も気持ち良く迎えることができます。

インドヨガを選んだ3つの理由

インド 男性

インドという国に興味があった

友達からも会社の人たちからも、なんどもこう尋ねられました。「なぜインドへ?」たしかにヨガを学ぶだけならタイ、ハワイ、バリなど選択肢はたくさんあります。だけど僕がその数多くの選択肢の中からインドを選んだかというと答えはとてもシンプルで「インドに興味があるから。」それが僕がヨガ留学にインドを選んだ主な理由です。確かにインドはバリやハワイなどといった疲れを癒す目的の方には向かないかもしれません。インドはエネルギッシュな場所でありそのためにはこちらも多少なりともエネルギーは必要ですから。しかし僕自身は日本での機械的な毎日によって凝り固まってしまった精神を解放してくれるのは価値観において、真逆と言えるようなインドしかないと思いヨガ留学にインドを選ぶことになりました。

ヨガの本場インドで趣味であったヨガの知識を深める

僕は凝り性でなにをやっても全力でやらなければ気が済まない性格です。だからこうして趣味であるヨガのために長期休暇を使ってわざわざリシュケシュに出向いたわけですがこの留学を終えた今、心からここで留学をして良かったと感じています。なぜならここには本気でヨガを愛し取り組む人たちに出会えたからです。彼らも僕と同じく真剣にヨガを学ぶためにこのヨガ発祥の地リシュケシュに訪れています。僕のように趣味でヨガを突き詰めたい人や、ヨガインストラクターになりたい人、キャリアの幅を広げたい人、動機はそれぞれ違いましたが目的は同じ仲間です。彼らがいたからこそ僕は切磋琢磨しながらヨガの知識を広げることができたと思います。

世界の著名人も訪れたヨガの聖地リシュケシュに興味があった

実は僕が最初にリシュケシュを知るきっかけになったのはビートルズです。学生の頃からビートルズが大好きで何回も聴いていたのですが、その中でも特に好きだったのがジョージの名曲”Here comes the sun”。当時、調べてわかったことはこの曲はインドのリシュケシュという場所でヨガ修行をしながらつくられた曲だということ。そんな場所があるのかという程度の認識でしたが、あの曲を聴くたびいつもビートルズがなぜそこでヨガをしたのかということを考えるようになりました。他にもそこででつくられた曲は数多くあり僕は次第に数々の名曲を彼らに生み出させたリシュケシュという地はどういうところなんだと思いを馳せるようになりました。ヨガの聖地リシュケシュについて

インドヨガ留学3つの効果

瞑想 男性

瞑想の重要性

この留学ではヨガの3大要素のうち、特に瞑想に重きをおいて取り組みました。ここへ来る以前でも取り組んでいたつもりでしたがいかに自分の行っていた瞑想が間違っておりどれほど瞑想が重要かを知りました。瞑想とは自己を見つめなおすということなのですが今まで僕は反省するということと認識しており、仕事の失敗や人間関係での失敗などを反省していましたがそれらは雑念に含まれていてもっと大枠に自己を見つめなおすのが瞑想だと教わりました。それを知ってからの瞑想はとても効果的で心が解きほぐされているように感じます。

健康的な体づくりの習慣が身に付く

僕はここへ来る以前はたばこをやめることができず、毎晩仕事から帰るとビールを嗜むという生活を送っていました。食生活も20代の頃ほどとは言えませんが独身の身なのでときどき疲れてコンビニ弁当で済ますなんてこともありましたがスクールでの生活は3食ベジタリアン料理でとても健康的、禁酒禁煙は初めの方は多少辛かったのですがそんなイライラやストレスはヨガが解消してくれたのでさほど苦ではありませんでした。おかげでこの留学を終えた今、お酒は控えることができたばこも禁煙に成功しました。ヨガ留学によってヨガの知識だけでなく健康も手に入れることができたと感じています。

精神的にリフレッシュできる環境

なによりもこのリシュケシュでの生活の良かったところは仕事の不安やストレスを完全に日本に置き去ってただ純粋にヨガライフを楽しむことができたということですね。日本で休暇を取っていると嫌でもスーツを着た忙しく働いているサラリーマンに出くわして仕事を思い出してしまいますから。もちろんリシュケシュにはスーツを着た人なんていないし、住民も活き活きと感情豊かに生活を楽しんでいるようにみえます。そういった人たちを見て僕はもう一度人生の意義を取り戻すことができたと感じます。日本に帰ってもリフレッシュしてまた仕事に取り組むことができました。リシュケシュの気候についてはこちらを参照→リシュケシュの気候