インド最古の瞑想法ヴィパッサナー瞑想の驚きの効果

ヴィパッサナー瞑想とは

ヴィパッサナー瞑想とは

ヴィパッサナー瞑想はインドにおける最も古い瞑想法の一つです。真の解放と完全な悟りという究極の精神的目標を目指すもので、長い年月の間に失われていましたが、2500年前にゴータマ・ブッダによって再発見されたと言われています。

ヴィパッサナーとは、「物事をあるがままに見る」という意味で、体験したことを評価せずに、ニュートラルな気持ちで自己観察することを主軸を置いており、私たちが一般的に瞑想と言って連想するものとは少し違います。まず自然な呼吸を観察することから始め、集中していきます。そして、精神と肉体が常に変化しているというその性質を観察し、その時に湧き上がってくる感情・記憶・感覚を知覚し、その体験を通して真実を学ぶことで心を浄化していきます。

瞑想中 ろうそく

この瞑想法はブッダによって発見されましたが、仏教だけのものではなく、あらゆる問題に対する解決法であり、宗教とは関係ありません。そのため、人種や社会的地位、宗教を問わず全ての人々が行うことが出来るものなのです。

ヴィパッサナー瞑想と一般的なヨガの瞑想の違い

伝統的な瞑想にはサマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の2つの方法があります。一般的にイメージする瞑想方法とはサマタ瞑想のことを指します。こちらは、ある特定のものに対して意識を集中させることで雑念を遮断するという方法で瞑想に入っていきます。サマタ瞑想を続けていると、集中力がつき、仕事の能率や記憶力が高まります。

一方で、ヴィパッサナー瞑想はその瞬間の感情や体験などを遮断しようとせずに観察します。そうすることで、物事をありのままに捉えるようになり、自分自身の心の動きも客観的に観察することが出来るようになります。うつ病や不安障害といった精神的な不調にも効果があると言われています。

夕日を見ながら瞑想

瞑想は、自分のココロの疲弊を癒す効果が得られる方法ですが、他にもイメージのチカラが付きやすくなり、アイデアなども浮かびやすい状況が生みます。スティーブ・ジョブズやビルゲイツ、イチローなどの成功者の多くが寝る前や朝起きた後に欠かさずに瞑想を行っていることが多いのも頷ける話です。「世界のエリートはなぜ瞑想をするのか」という本も人気になりましたね。

ヴィパッサナー瞑想センターとは

ヴィパッサナー瞑想方は10日間の合宿コースで学ぶことができ、瞑想方の基本や瞑想の効果が得られるように実践を行います。ヴィパッサナー瞑想センターとは、その合宿をする施設のことで、日本には千葉県と京都府の2箇所にあります。インドには各地に存在しています。合宿コースのすべての経費は、コースを修了した人々の寄付によって賄われており、寄付のみによって運営されています。

合宿の参加費用は食費・宿泊費共に請求されることはありません。また、合宿の運営も全員ボランティアとして参加しているのが大きな特徴です。コース期間中は五戒「殺さない、盗まない、性行為を行わない、嘘をつかない、酒・麻薬類を摂らない」を守ります。この行動規律を守ることで心が穏やかになり、集中して自己観察を行うことができるのです。

人生を変えるヴィパッサナー瞑想の効果

ヴィパッサナー瞑想の最も大きな効果は、人との接触を断つことで自分の心と身体にひたすら向き合う事が出来る点にあります。自分の抱えている問題点と客観的に向き合う事で、それまで感じていた問題が大した事ないと気がつくことが出来ます。その他に、副次的な効果として以下のものがあります。

体への効果

まず、姿勢が良くなります。瞑想中に背筋を伸ばすよう矯正されることもありますが、何より自分の姿勢がなぜ悪いのかに気がつくことが出来ます。それにより、呼吸方法を変えるなどして自然と姿勢を直すことに繋がります。それから、体重が減って痩せます。

綺麗な華

運動しないにもかかわらず痩せることが出来るのは、食事のおかげに他なりません。1日の大半の時間は瞑想しているので消費カロリーは減りますが、合宿中の食事は朝と昼の2回で午後に果物が出てきます。食事は玄米と汁物に付け合せと非常にシンプルなものなので、非常に健康的で余分に食べ過ぎてしまうということがないので痩せるのでしょう。無理な食事制限等をする必要なく痩せられるのは嬉しいですね。

生活習慣への効果

早起きが習慣になります。合宿中は毎朝4時に起きて、4時30分から6時30分まで瞑想します。10日間も続けると習慣になるので、日常生活に戻っても早起きが継続できます。また、食生活にも変化が表れます。ヴィパッサナー瞑想の後半では、自分自身の身体の内部に意識を向けるようになります。自分で食べたものが体内のどのようあたりにあるか等に注意が向くので、余計に食べてしまうことに対して敏感になります。

合宿中の食生活のおかげもあり、必要なものは必要な分だけ食べればいいのではないかという考え方も身につき、全体的に素食になります。そして、他人への気遣いを丁寧にするようにもなります。合宿中は他人と一切コミュニケーションを取りません。「聖なる沈黙」と呼ばれ、瞑想は独りで行うものだと認識するためにあるルールです。その分、共同で生活する他の人が不快な気分にならないように注意を払うようになります。現代の社会ではみんなが時間に追われていますが、コース中はそうした切迫感がないのも変化の理由の1つかもしれません。

マインドへの効果

ヴェパッサナー瞑想では、「無意識を意識でコントロールする」修行を行います。そのため、意識をしている時と無意識でいる時を知覚することが出来るようになります。例えば、これは自分の思考や姿勢に大きく影響を与えます。「想像力を発揮したい時」と「物事を論理的に考えたい時」などの状況に応じて姿勢を変えることで、自分の意識と無意識を使い分けることができ、人より効果的に頭を働かせることが出来るということです。

瞑想 草原

最後に、恩送りという言葉を身に沁みて感じることができます。恩送りとは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ることです。ヴィパッサナー瞑想の合宿コースは無料で、全て寄付の上に成り立っています。初回の参加で私たちは恩を受けることになります。それをコースを修了した後に、他の人にもこの瞑想を経験してもらいたいという思いや、自分が受けた恩を他の人に還元したいと、寄付やボランティアスタッフとしてコースに参加することをごく普通のこととして捉えることが出来るようになります。

ヴィパッサナー瞑想体験談

10日間無言で行うヴィパッサナー瞑想

ヴィパッサナーの瞑想合宿があるという事を知ったのは、知人から「海外ではかなり有名で日本にも瞑想合宿がある」という事を聞いた事で知りました。知人は既に体験したようですごくオススメされたので、10日間もの時間を割くのは少し面倒な気がしましたが、知人がオススメしていたことと、ヴィパッサナー瞑想は私が知っている瞑想とは全く違うタイプのものだという事もあり、参加することにしました。コースには多くの規則があります。これは瞑想を独りで集中して行うためのものでした。最初は全く人と話さないという環境が初めてだったのですが、意外にも過ごしやすかったです。

ヴィパッサナー瞑想の方法

講話などでは、瞑想することを「働く」という表現が使われ、一見ボーッとしているように見える瞑想ですが、意識に集中するのはなかなか難しいものでした。普段、「意識」に意識を向けた事がなかったのですが、コース中には意識と無意識に注意を向ける事が求められます。

最初は長時間瞑想する事を苦痛にも感じましたが、徐々に慣れてきて自由時間にも瞑想ホールで瞑想するようになりました。グループ瞑想の時間では、女性の声でアナウンスが流れて瞑想法を少しづつ丁寧に教えてくれます。

10日間のヴィパッサナー瞑想を終えて

瞑想をしている時に集中力が高まったのか、深く瞑想に入り込んでしまい、感情が高ぶって泣いてしまった事がありました。その後、今まで生きてきた中で起きた出来事の全てを許して、受け入れる事ができたような気がしました。

全てが浄化出来た体験は、普段の生活に戻った後でも忘れられません。周囲の人との関係も、今までとは別の視点で感謝の気持ちを持って物事を見られるようになったのも合宿に参加したおかげです。