ヨガとストレッチの効果の違いまとめ

ヨガとストレッチの違い

ヨガの効果

ヨガには心身に様々な効果があると言われています。近年のブームの高まりは、現代社会のストレスや疲れを象徴しているものでもあり、そういった背景から老若男女問わずヨガ人気が広まっています。
■身体への効果
ヨガのカラダへの効果は大きく分けて2つあります。
1つ目は体の柔軟性を高められること。体の柔軟性は後述するストレッチにも共通しているもので、体の基礎代謝を上げるための重要な活動の1つです。基礎代謝は30代から徐々に落ち始めると言われており、40代になるとガクンと落ちるというデータがあります。これを維持するためには日々の積み重ねが重要です。

2つ目は体の関節を大きく動かすことで体幹を鍛えられることです。ヨガはインナーマッスルを鍛えられるため、体の軸から強化することができ、基礎代謝の向上に大きな効果があると言われています。また、体幹は姿勢や体全体の動きに関わってくるものなので、この体幹を鍛えておくことは一生に掛かってくることです。普段オフィスワークをしていたり、運動をする機会に恵まれない方にはちょっとしたスペースと時間だけで体幹を鍛え、基礎代謝を上げることができるのでヨガはおすすめです。
■精神的な効果
ヨガは呼吸法を非常に重要視しており、ヨガの中で行う呼吸法の改善が体質改善につながるといっても過言ではありません。呼吸法を改善することでリラックス効果が期待でき、それによって精神的な安定がもたらされます。ヨガはアーサナといわれるポーズにフォーカスが集まりがちですが、呼吸法はアーサナよりも遥かに大事だという人も少なくありません。アーサナや瞑想時に正しい呼吸法を用いて行うことで、ヨガの効果が高まるだけでなく生活習慣の改善も期待できます。

ストレッチの効果

みなさんが小さい頃から行っているストレッチの効果は、言わずもがな柔軟性の向上です。柔軟性の向上は筋肉との連携も良くするため、筋トレと一緒に行うとその効果を大幅に高めることが可能です。ストレッチは、どこをどの程度、どのように伸ばすかが重要です。それを理解した上で運動の前後にストレッチを行うと、怪我をしにくい体を手に入れることができるでしょう。

ヨガとストレッチは目的に合わせて選ぶ

上記で見たようにストレッチとヨガの違いはヨガはストレッチでは期待できない体幹を鍛えること、呼吸法を用いてリラックス効果が得られることです。一方でストレッチはヨガよりも柔軟性を高められるというメリットがあります。ヨガをするかストレッチをするかは目的によって変わってくるため、どちらが良いというのは一概には言えません。それぞれの体にに合わせたことを最適なタイミングで行うようにしましょう。

ヨガストレッチ

ヨガストレッチとトレーニングヨガ

ヨガには大きく分けて2種類あり、1つはヨガの呼吸法を用いてリラックス効果を得るヨガストレッチ。もう一つは筋力アップと基礎体力向上にフォーカスしたトレーニングヨガです。いずれも短時間で疲労回復や体の軸となる部分を強化できるので初心者でも手軽に取り組むことができます。

ヨガストレッチの効果

最近ではヨガとストレッチを組み合わせたヨガストレッチが注目されています。もともとヨガとストレッチは相性が良いため、これらを組み合わせることで2つの良いところを同時に得られることが期待できます。柔軟性を高めつつ体幹を鍛え、リラックス効果も得られるヨガストレッチはヘルス志向が高まる日本において主流になってくるかもしれません。

ヨガストレッチおすすめアプリ

ヨガストレッチをするにあたりおすすめしたいのが「1日5分ヨガストレッチでダイエット~心も体もキレイ!体の不調やお悩みを根本から解決〜」というアプリです。1分ごとにポーズとテキスト解説が自動で切り替わるため、いちいちポーズを選択しなくて良いので使いやすいです。コースも初心者コースから上級者コースまで複数あるため、レベルに合わせた内容でヨガに取り組めます。

まとめ

以上、ヨガとストレッチの違い、近年注目されているヨガストレッチについて紹介しました。重要なのは目的にあったアクティビティを選ぶということです。体の何が問題でどのような改善をするべきなのか、それをしっかり理解した上で方法を選ぶようにしましょう。

有酸素運動であるヨガの消費カロリー計算方法

ヨガと有酸素運動について

有酸素運動とは

有酸素運動とはエネルギーの代謝を目的とした運動で軽〜中度の心拍数と酸素摂取をし続けながら一定時間、運動するものです。主に大きな筋肉を使いながらの運動になるため多くの酸素が必要になります。大量の酸素を取り入れ、それをエネルギー変換して脂肪を燃焼させるものが有酸素運動になります。有酸素の代表的なものとしてヨガ、ジョギング、ウォーキング、水泳、エアロビクスがあります。

一方で無酸素運動とは酸素を必要としない運動で酸素の代わりに体内にあるグリコーゲンといわれる糖分をエネルギー変化させ脂肪を燃焼させます。負荷の大きな運動がそれにあたり、短時間に大きなエネルギーを消費するものでウェイトトレーニングが無酸素運動にあたります。同じ運動でもやり方次第で有酸素運動と無酸素運動を使い分けることが可能です。

有酸素運動の効果

有酸素運動をする最も大きな効果は脂肪の燃焼です。有酸素運動は20分以上続けて運動する必ことで効果が出ると言われており、体内の酸素を使いながらじっくりと脂肪を燃やしていきます。そのため、過剰な負荷をかけて運動してしまうと脂肪が燃え始める前に疲れてしまい、有酸素運動本来の目的を果たせないまま終了しなくてはなりません。酸素と脂肪が燃えているような、体がじわっと熱くなるのを感じながら運動するのがコツになります。

そのためヨガは様々なアーサナを続けて行い、無理な動きも少ないため有酸素運動に適していると言えます。実際近年の健康ブームにおけるヨガの広まりは、こうした理由にあります。特にヨガは呼吸が重要なため、意識的に酸素を取り入れる必要があり、有酸素運動の目的と直結していると言えます。

ヨガの消費カロリー

消費カロリー比較時に使うMETs数とは

METs数とは消費カロリーを比較する際に体重、運動時間以外に使う数値のことです。METs数は安静時の状態を1METsとして、平地を歩くと2METs、子供と遊んだり少しきつい歩行をする際は5METs、ランニングは8METsといったようにそれぞれの運動によって数値が定められています。消費カロリーを重視して運動する際にはこのMETs数を意識して行うと良いでしょう。

■METs数の計算方法
METs数の計算方法は以下になります。
体重(kg)xMETs数x運動時間(h)x1.05=消費カロリー(kcal)

METs数一覧(参考)

METs数 活動
1.0 平地を歩く、ジャグジーに入る
2.0 料理、洗濯、手工芸
3.0 洗車、幼児を抱っこして歩く、ハタヨガ
4.0 子供と遊ぶ、卓球、水中ウォーキング
5.0 エアロビックダンス
6.0 ウェイトリフティング
7.0 テニス、サッカー、ジョギング
8.0 ランニング(8km/時)、腹筋、腕立て

ヨガの消費カロリー

上記の計算方法でヨガの消費カロリーを試算してみましょう。25歳の女性が1時間ハタヨガを行った場合、25歳の平均体重が50Kgとすると以下のような計算式になります。
50(kg)x3.0x1(h)x1.05=157.5(kcal)
日頃の運動でヨガを取り入れている場合、このように消費カロリー計算して自分の摂取カロリーとのバランスを取るようにしましょう。

まとめ

自分の活動にどれだけの効果があるのかを知ることは非常に重要です。もちろん、全てが数値化できるわけではありません。精神的な安定やリフレッシュの度合いというのは可視化するのが難しいものです。しかし、数値できるものは日頃からしっかり管理し、成果を積み重ねるようにしましょう。

インナーマッスルが重要な理由とヨガで体幹を鍛える方法

ヨガと筋トレの違い

ヨガで鍛えられるもの

ヨガをすることによって鍛えられるのは腹斜金や腹直筋といったいわゆる”インナーマッスル”というものになります。このインナーマッスルとは体を支える体幹を鍛えることにも繋がってきます。インナーマッスルとは体の表層部分の筋肉では無く、体の内側にある細かい筋肉をいいます。インナーマッスルは普段している体の動きに大きく関わるものであるため、これを鍛えるだけで椅子に座る姿勢や歩く姿勢にも影響します。少し大げさにいうとインナーマッスルは人生に大きく関わってくる重要なものなのです。

筋トレで鍛えられるもの

筋トレは一般的に体の表層部を鍛えるものだと言われており、その目的は筋肥大にあります。筋トレをする多くの理由がマッチョになって綺麗なボディラインを手にいれたい、パワーをつけたいというものです。そのため筋トレは体に強い負荷をかけるため、毎日行ってしまうと怪我をするリスクが伴います。

ヨガではインナーマッスルを鍛える

ヨガのポーズはインナーマッスルを鍛えるものです。そのためヨガをしたからといって、インナーマッスル自体の筋肉は大きくないため体が大きくなることはありません。こういったことからヨガは近年、ダイエットをしたい女性や中高年男性に人気なのです。逆にマッチョになりたい男性がヨガを継続してやったとしても思った効果を得られることは難しく、ヨガと筋トレの違いを理解し、自分が得たいものに合った方を選ぶ必要があります。

インナーマッスルを鍛える重要性

インナーマッスルとは

実際にインナーマッスルという部位の筋肉は存在しません。インナーインナーマッスルとは簡単にいうと体の奥深くにある筋肉の総称です。対して力こぶや盛り上がってい部分をアウターマッスルといいます。インナーマッスルの体における役割は関節の位置を維持したり、姿勢の微調整をする働きがあります。主要なインナーマッスルは3つあります。
■肩関節
ローティターカフと呼ばれる肩周りの筋肉群は肩の旋回運動に大きな役割を果たします。
■脊柱
一般的に体幹と呼ばれる体の軸となる部分です。イチロー選手やサッカーの長友選手といった超一流アスリートも重要視しているように、これを鍛えることが身体の安定につながりパフォーマンスの向上に直結します。体のバランスが悪い方は特に鍛えた方が良いポイントです。
■股関節
人間は歩いたり走ったりする際に股関節を動かします。この周辺にもインナーマッスルが多数あります。

インナーマッスルが大切な理由

筋肉は何層にもなって構成されており、インナーマッスルはその内側にある筋肉です。そのため、アウターマッスル、もっと言えば体全体を内から支える縁の下の力持ち的な位置付けです。インナーマッスルを鍛える最も大切な理由は、体のバランスを保てるようになるからです。インナーマッスルとアウターマッスルは相互に作用しながら体を動かします。そのため、いくらパワーを付けたくてアウターマッスルばかりを鍛えていてもそれを支えるインナーマッスルが弱ければ、最大限パワーを発揮することができません。アウターマッスルばかり鍛えて一見、屈強な体を手にいれたかのように見えて実は見せかけで中身のないものであるという場合が少なくありません。つまり、インナーマッスルとアウターマッスル両方を鍛えることが重要なのです。

インナーマッスルを鍛える効果

インナーマッスルは細かな機能を調整する働きをしているため、体の動きの補助的な動きをします。スポーツ選手でいうと細かな動き、体をひねる動きといったところで機能し、パフォマンスの向上に貢献します。一般人でも、生活の中での無駄な動きがなくなり疲労やストレス軽減につながります。インナーマッスルの強化は、立ち振る舞いを美しくすることに繋がるため著名なモデルにも取りいれられています。

ヨガでインナーマッスルを鍛える方法

ヨガの動きは基本的にインナーマッスルを鍛えられると言われています。ここでは、その中でもインナーマッスルを鍛えるのに効果的な方法をご紹介します。

ダイアゴナルバランス

ダイアゴナルバランス
出典:ストレッチポール公式ブログ

■ポイント
1.体を棒のように一直線にするイメージでお尻が出過ぎないようにする
2.5秒間静止し、手と足を変えていきます。慣れてきたら回数や秒数を増やしていきましょう。

スクワット

スクワット

■ポイント
1.両足は肩幅より少し開いて、背筋を伸ばした状態を維持します。
2.両手は頭の後ろか前に置いておきましょう。
3.太ももと地面が水平になるまで下げます。この時、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
4.立ち上がる際、膝が伸びきらないようにしましょう。
5.これを15回繰り返します。

まとめ

以上、インナーマッスルの重要性と鍛え方についていかがでしたか?皆さんの生活で最も使われていると言っても過言ではないインナーマッスルを鍛えることは非常に大切です。充実した人生を送るためにもインナーマッスルの鍛錬を意識してみてはいかがでしょうか。

ヨガの先生になるためにインドでヨガスクールを探す方法

インドのヨガ教師養成コース(TTC)はどのように選べば良いのでしょうか?インドには何百ものヨガTTCがあり、それらから自分にあったコースを選ぶのは至難の技です。また、何を良し悪しとするかは個人によって違うため、インドのヨガコースを探す際には自分の基準、価値観をしっかち持つ必要があります。本記事ではそれを探すヒントになるものを説明します。

インドでヨガ教師養成コースを探す方法

万人に合う完璧なトレーニングはない

冒頭にも述べたように、個人によって求めるもの、良し悪しの基準は異なるため、全員に最高で完全といえるヨガスクールというものはインドだけでなく世界に存在しません。しかし、それぞれのスクールで皆さんのヨガライフの経験になり、人生を変える経験にもなり得ます。ヨガスクールを選ぶ際には自分が求めるヨガの形、イメージをしっかり持つことが大切です。

ヨガを学ぶ目的を明確にすること

心を聞くことができるようにするには、あなたが本当に何を望んでいるのかを理解することがスタートです。以下の質問はそれを理解するサポートになります。
・ヨガの教師養成コースを探している動機は何ですか?
・あなたはなぜヨガの先生になりたいのですか?
・ヨガの先生になってからすぐに教え始めますか?
・アーサナの調整に焦点を当てたトレーニングをお探しですか?
・多くの理論を持ったトレーニングをお探しですか?
・むしろより精神的な経験を探していますか?

ヨガを学んだ先に何を目指すか

TTCの後に何をするか決まっていますか?もしヨガの先生になりたいのであれば、すぐに教えたほうが良いでしょう。これを行う最善の方法は、通っているヨガのTTCのアシュラムや学校でボランティアをすることです。TTCを受講した同じ学校でヨガを教えることは、どこでスクールを立ち上げるのが快適で立地が良いのか、利害することができます。したがって、このような将来的なプランがある場合、ヨガのTTCを見つけるための一つの基準になります。そのスクールのスタッフもサポートしてくれるでしょう。

推薦を得る

友人や知人がヨガコースを終えた後、ヨガの先生やスクールについて話し、トレーニングについて感想を聞いてください。彼らはあなたにそれを勧めるでしょうか。勧めるとしたなぜ勧めるのでしょうか。また、先生や友人からの推薦が見つからない場合は、インターネットで探すことができます。
インターネットで情報を見つけられた場合、ヨガの教師養成コースを実施する予定の学校、アシュラム、ヨガの先生について調べましょう。これは手間のかかる作業ですが、適切なスクール選び、先生選びに最良の方法です。

これは始まりにすぎない

あなたがインドで見つけるヨガの教師養成コースのほとんどは、おそらく1ヶ月間の集中コースです。1ヶ月でヨガの先生になるには不十分であると言う人もいますが、1ヶ月で適切なトレーニングを受けることで、ヨガの先生になるための手助けをすることができます。ヨガの教師養成コースを受けたからといって良い教師になれるわけではありません。良い教師になるための方法は、教えることだけです。TTCはヨガの先生になるためのツールを提供するだけです。教える技術はヨガを教える時間、その方法を考える時間によって洗練されていきます。これを念頭に置いておくと、完璧なTTCを見つける必要がないこと、そしてこれが終わりのないヨガ教育の始まりにすぎないことを理解すできると思います。

ポジティブに焦点を当てる

学校やアシュラムについての情報を探してい時には、おそらくそれらについての否定的なコメントも目にすることがあると思います。どれほど優秀な指導者でさえ悪い評判を得る可能性があることを忘れてはいけません。ネガティブな情報がスクール決定の際の意思決定に影響を与えないようにしてください。どのスクールにも一長一短はあります。スクール選びに重要なことだけに集中し、あとは直感に従うだけです。

予算を試算する

ヨガの教師養成コースは非常に高価なことがあります。インドでの生活費を考えれば、おそらく高額になります。しかし、費用にとらわれてはいけません。安かろう悪かろうというようにやはり高価なものは高価なだけの理由があるのです。これは費用ではなく、投資だということを忘れてはいけません。まずは価格よりも本当に自分に合っているスクールか、なりたい未来を実現できる環境があるかというのを考える必要があります。

ヨガインストラクターがレッスンで大切にしているポイント

ヨガを初心者に教える上で大切にしているポイント

ヨガの父の教え

「あなたが教えたいことではなく、生徒が必要なことを教えなさい。」というのはクリシュナマチャリア氏の言葉です。
(クリシュナマチャリア;現代ヨガの父と言われる彼は、20世紀のヨガの基盤を築く、パタビジョイス氏(アシュタンガビンヤサヨガの始祖)やB.K.Sアイアンガー氏等多くの弟子を世に輩。南インドチェンナイにある彼のヨガスクールは今年急逝された息子のデシカチャール師を経て今もインド国内外からたくさんの生徒に愛される。
(http://kym.org/Beta/category/upcoming-events/)

自分の知っていることをただ伝えたり、知識の供覧をするのではなく、その生徒が今、必要としていることを、彼が理解できる言葉で伝えるというのはとても大切です。これは誰とでもどのようなコミュニケーションとる時にも言えることです。まず相手を知ること、相手にあった言葉を選ぶことが重要<>なのです。

生徒が自分自身と向き合う環境を作る

ヨガとは本来治療的であり、1対1で教えられるべきものとされてきましたが、近年の消費社会の流れではグループクラスが一般化しています。そんな時、一人ひとり生徒とコミュニケーションを図れる時間は限られています。
骨格が異なれば、言葉の理解力も様々な人たちがひとつのインストラクションを共有することになるのですが、全員が同じ練習をすべきではありません。形式張ったインストラクションが全ての人に通用する訳ではないという意味です。骨格によって必要なアクションは全く異なるのです。皆がロボットのような画一的な動きをするクラスにしないためには、「自身の肉体を呼吸をエネルギーを感じる」ことに敏感に積極的になってもらいます。
今、自分に何が起こっているのか?
右と左はどんな差があったのか?
動きによってどんな影響が呼吸に出ているのか?
どのような思考が自分を通っていくのか?
「現在」の自分に気がついている上で、このままここにとどまるのか、これより先すすむのか。
これらを自身で決断してもらいます。この決断の判断力は経験によって培われるもので、その土壌のない初心者のためにできることを挙げてみましょう。

ヨガレッスンのクラスづくりで大切なこと

既存の知識をひけらかすのではなく、「今この瞬間」にある情報(生徒の身体、個性、感情や場の空気)に深く身を浸し、この場で最善の行動をひとつひとつ先生として選びながらクラスづくりを行います。

必要な時に側にいる感覚

まず、初心者の生徒さんには自分の近くにきてもらうか、クラス中、彼らのマットの側へアクセスしやすい道を自分の内に作りましょう。周りの人を真似て、無理をしてしまったりしないよう、息を詰めたりしないよう、「力を抜くこと」「強張った部位を緩めること」彼らの無意識に光を当て、彼らのレベルでできる事を提案し続けます。

日本人の生徒さんには唇をかみしめて、アサナをとっている人が本人達はきづいてないのですが本当に多いのですよ。面白いことにこれは日本人に顕著に見られる癖なのです。国民性でしょうか?先生が側に来てくれる。個人的に声をかけてくれる。ということは安心感や彼らの自信につながります。「つながっている」という感覚を大切にしましょう。

ポーズだけにとらわれないことを理解させる

アサナはヨガという壮大なアートの内のほんの小さな断片でしかありません。ヨガのポーズができた/できなかったからと言って、人生が変わる訳ではありません。大切な事は、「取り組む姿勢」と「精神の状態」です。アサナは瞑想への準備段階に過ぎず、ポーズというツールを通して自分の内にある、執着や嫌悪、恐怖といった「思考の種」を見つめていくものです。アサナを見本と似たような形にすることがヨガのゴールではないということを必ず初心者には理解してもらいましょう。「比べる」「ジャッジする」「優劣をつける」ということはとても愚かなことで、真の美しさを見失い、本質から離れていってしまいます。この概念をマットの上で練習し、実生活へも応用し、モノゴトの本質に直に触れる能力を養うことで、人生の甘露に触れることができるでしょう。

生徒への観察眼を大切にする

アサナを観る時は、「下から上へ」が原則

土台の安定しない場所に堅固な建物は建ち得ません。アサナも同様に大地との接点が全ての鍵です。どれほど安定して根付くことができるか、というのが強さと可動域を作る第一の要素です。生徒がアサナをとるのに難しいと感じるとき、それがどこから来るものかを先生は見つけてあげましょう。また、柔軟性に欠けると感じているようならば、その硬さは筋肉の緊張によるものか、産まれ持っての骨格によるものかを教えてあげましょう。筋肉の緊張は時間をかけることによって緩めることができますが、骨と骨とがぶつかり合う関節の形による動きの限界は一生変えることのできないものです。初心者の生徒が、間違った身体の使い方や過伸展の癖を悪化させないためにも、理想の形を追うのではなく、「身体の個性」を知った上での個別のアドバイスとアジャストを提供しましょう。また、肉体の身体だけでなく、その日の体調に伴う、精神状態や感情面も含めて生徒のエネルギーレベルと向き合ったクラスづくりを心がけます。

ヨガに抵抗感がある人へのアプローチ

「汚れた人程お風呂に入る必要があるのと同様に、カラダの硬い人程ヨガをする必要がある」というのは、私の先生の尊敬する先生の1人ピーター・クリフォードの言葉です。

モノゴトを有利と捉えるか、不利と捉えるかはその人次第です。苦手意識を持ってしまうと、細胞が精神に従うために、自ら身体をうまく使えなくしてしまい、状況を好転させることが難しくなってしまします。身体がカタイというのは、単なる状況でそれがその人の幸と不幸や、良い悪いとは全くの無関係です。身体の硬さには たくさんの利点があり、怪我から身を守ることや、関節の柔軟性の高い人にはなかなか見出せない「関節の力に頼らず、筋力を使う」という作業をいとも簡単にこなしてしまうのです。むやみに伸びることをアサナだと間違う可能性がとても低いことは、生まれながらに授けられたギフトです。自分が何を持ってこの世に産まれ落ちたとしても、その条件付けを変えられる力が私達にはあり、なりたいものになれるのです。習慣の脱却が無限の可能性をもたらすのがヨガの力です。

ヨガに夢中になり始めた人へのメッセージ

状況につかまらないこと。真剣になり過ぎないこと。人生とは七転び八起き、晴れの日があれば雨の日もある。ということ、アサナを、呼吸法を、瞑想を通して、今起こっていることは何でもないこと。全ては過ぎ去ることなのだよ。ということをヨガのクラスで体験してもらいます。

■「Hold lightly」の精神

何かに夢中になったり、ひとつの結果に固執しすぎるとそれが執着となり、苦しみの種となります。いつでも、軽く優しくつないでいるという姿勢で ヨガや仕事、家族とつきあいます。

■「Perfection in Inperfection」に感謝

今この瞬間が完全な調和の上に成り立っているために自分がここにいるということを理解し、現状を受け入れるということの練習を続けることが人生です。

こういったメッセージを肉体的なインストラクションに絡めて生徒にプレゼントするのがヨガティーチャーの役目です。どのように浸透するかは生徒の個性次第。私達ができることは、愛を持って解き放つということだけです。呼吸と同様自分から外へ出すことで自然と外から新しいものが内へ入ってきます。ヨガの先生とは 素晴らしいお仕事だと思いませんか?