日本のヨガブームの歴史と広がり続けるムーブメント

日本のヨガブーム

ヨガを初めて行った人物

日本で初めてヨガを行い、教えを説き始めたのは1919年に天風会を創設し心身統一法を説いた中村天風です。結核を患った天風は病を治すために世界を旅してる中、インドの山中でヨガの聖者、カリアッパに出会い修行を積み悟りを開きました。心身統一法は、人間の思考を自然と調和させることで人間本来の人間の力、潜在能力を引き出し心身ともに幸福で幸福になることのできる実践的方法とされています。

日本で広まったのはいつからか?

もともと平安時代に瑜伽(ゆが)と呼ばれ瞑想を中心に行われていました。1970年に綿本昇によってエクササイズ的な見せ方と美で健康促進的要素を盛り込んだヨガを求めて多くの人がカルチャーセンターなどの教室に通い始めました。また1980年代に健康法としてフィットネス界にヨガが進出し、健康と美容のためのヨガが前世代に浸透しました。1990年代前半までに若い女性を中心にファッショナブルなスポーツとして人々の生活に根付いていったのです。

第一次ヨガブーム

ヨガ ビジネスマン

発起人の沖正弘

1919年に生まれた沖正弘は幼少の頃より多くの病を抱え後のヨガ実践行にて自他の生命がともに救われる沖ヨガを創造し世界20ヶ国以上で普及活動を展開しました。青年時、軍の特務機関員として、蒙古、インド、中国、アラビアに赴き東西の医療を習得。宗教面でもイスラム教、ラマ教、道教、仏教、キリスト教の寺院や修道院でも修行経験を持ち1942年にはガンジーとも出会い、日本で最初のヨガ研修会を設立しました。晩年には「全生命はすくわれねばならない、また必ず救われる」との悟りと信心から、全生命救済活動の一環として1980年には国際総合ヨガ世界大会を開催、また1984年には国際セミナー「ライフエンカウンター(生命との出会い)」を開催し世界20ヶ国からの参加者を得て、国際的に指導者を養成しました。

沖ヨガ

沖ヨガとは、日本におけるヨガの指導者である沖正弘が古典的なインドヨガに東西の様々な宗教や修行法、日本の伝統文化、武道、民間療法、東洋医学などを組み合わされ、世界のどこに行っても通用するものとしてまとめられました。沖ヨガはその特徴から求道ヨガ、生活ヨガ、総合ヨガとも呼ばれていました。心、身、食、生活、環境のすべてを改善し心身のバランスを回復するヨガです。ルーツには、一人一人の心の中に平和心を生まなければ真の平和な世界は来ない、政治的・武力的な均衡での平和は真実のものではないという彼の考えがあります。

なぜ衰退したのか

1980年代、1990年代オウム真理教という宗教団体がありました。麻原彰晃を教祖とする仏教系の団体です。世界で初めて化学兵器サリンを使って大量虐殺を行い世界中を震撼させました。この団体がヨガ哲学の語彙を団内で使っていたことでヨガを敬遠する人が増えていきました。

オウム心理教が瞑想をしていたことによる悪いイメージがついた

また麻原は弟子に瞑想をさせていました。仏典やヨガ教典にのった記述を体現しそれを著作や説法で細かく説きました。ヨガに使われる語彙、ヨガで行われる瞑想を大事件を起こした宗教団体が使っていたことで、ヨガに悪いイメージがついてしまいました。

第2次ヨガブーム

ヨガ 夕日

ハリウッドセレブから流行

インドでヨガを勉強していたアメリカ人によって「ハリウッドヨーガ」が生まれました。これをアメリカのスーパーモデルや女優がプロポーション維持のために生活に取り入れ始めたことで他の人も影響されどんどんヨガ人口が増えていきました。ハリウッドヨーガは、従来の瞑想や呼吸法中心のヨガに加え筋力アップやエクササイズの要素を加えたものを言います。

日本への普及

日本には日本ヨガ総合普及協会があります。ヨガを通じて幼児から高齢者まで幅広い階層に対して病気の予防と健康の促進、精神安定支援、指導者の資質向上と育成を図ることを目的として活動しています。ヨガブームの中、断片的な知識だけで適切な情報や指導が行き届いていない現状もあります。専門的な知識なしにすると危険なためこれは非常に重要です。

今なお広がり続けるヨガブーム

今や世界各地で大人気のヨガ。もちろん日本でも連日ポージングを取り汗を流す人が多い。しかしやってはみたいが忙しさなどで教室に通えず断念する人もいます。そんな人向けにいま様々なサービスが生み出されています。自宅がレッスン場となる「Roots of Life」はや家事などで忙しい女性にぴったりのプログラム。女性と子供に特化したヨガプログラムを提供するベビーヨガアソシエイトとスマートフォンやパソコンでスポーツレッスンを受講できるプラットフォームを開発したスマートコーチが手を組んだこのオンラインプログラムでは24時間好きな時に自宅でレッスンが受けられます。
また最近では男性向けのヨガ教室が開講されています。女性ばかりで気が引けるとヨガを敬遠していた男性もこれなら大丈夫でしょう。大阪では生活ヨガ研究所が開催するものがありレッスン開始は19時半。90分のなかで柔軟運動にヨガのポーズ、ヨガの教えに瞑想と内容も豊富です。東京でもスタジオヨギー新宿westで男性限定クラスが始まりました。
オンラインサービス、男性向け教室の開講でさらにヨガ人口は増えていくでしょう。

日本の著名人、アスリートもヨガを

サッカー日本代表の長友佑都選手が『ヨガ友』と題して代表の宿舎でチームメイトとともにヨガに取り組みなど広がりを見せています。ヨガで体幹の安定や柔軟性のアップ、休息の質などを高め競技のパフォーマン向上を図るのです。また女優の篠原涼子さんやモデルの長谷川潤さんもヨガにはまっているようです。スタイルを維持するのにヨガは最適ですからね。

まとめ

日本におけるヨガは一度ブームが起き、そのあと衰退しました。しかし現在再びブームとして多くの人たちに浸透してきています。ヨガ協会やヨガ教室に加えオンラインサービスの誕生は、よりヨガを身近にするものとして普及しています。手軽に始められ、健康に良いヨガ。ますますヨガ人口は増えていくでしょう。

インドのアシュラムで1週間ヨガ修行してみた。

普段グルガオンで働いていている私が長期休暇を利用してインド人の友達と1週間のヨガリトリートに参加した経験を書かせていただきます。リシュケシュはヨガのトレーナー育成で非常に有名な地ではありますが、実は1dayヨガ体験や1週間ヨガのアシュラム(ヨガ道場みたいな場所)に滞在し、一日中ヨガの世界にどっぷり浸かることができます。普段運動不足な成人男性がどのような変化があったでしょうか。

アシュラムとは

アシュラムとは修行をする場所という意味があります。ヨガを「人生そのもの」と考えるインドでは、瞑想やアーサナを行うためだけの場所ではなくて、朝起きたときから、寝るまで、寝ている間も学びと考えます。アシュラム滞在し、生活する上ですべてのことが修行なのです。

また、インドには多くのアシュラムがありますが、外国人が滞在できないところもおおくあります。しかし、インドのリシュケシュでは多くの外国人がヨガ留学に来ていることから、外国人でも滞在できるアシュラムが多くあります。

インドのアシュラムで1週間ヨガ修行とは

リシュケシュ アシュラム周辺

アシュラムに到着

アシュラムはレストランや有名なアシュラムがあるリシュケシュの中心部ではなく、リシュケシュの中心から車で10分ほど進んだガンジス川沿いの谷の側面にあります。小さなアシュラムではありますが、30名程度宿泊できる個室と3つの道場、食堂、さらに食事はほとんど自家栽培らしく裏には農園がありそこで野菜を育て、牛舎(ミルク用?)もあります。

ガンジス川を感じるアシュラム

アシュラムは塀で囲まれてメインエントランス、農園へと続く裏の出口、もう一つの小さな鍵付きの出口を出ると目の前に広がるガンジス川、そしてガンジス川の向こう岸には山が佇み、まさに”隔離”された理想のヨガ修行が期待できました。

アシュラムのあるリシュケシュとは

リシュケシュはヒンズー教の聖地であり多くの寺院があります。そのためインド中からやってきたたくさんの巡礼者やサドゥー(ヒンドゥー教におけるヨガの実践者や放浪する修行者の総称)の姿が目立ちます。またリシュケシュはヨガの聖地であり発祥の地としても知られており、世界各国から多くの修行者や観光客がヨガを習うためにここにやってきます。ヨガや自然豊かなリシュケシュならではのアクティビティを楽しみながらゆっくりと時を過ごすことができます。

リシュケシュに関する記事は以下をご覧ください。
ヨガ発祥の地リシュケシュ滞在体験記
インドヨガの聖地リシュケシュの気候
散歩して発見したヨガの聖地リシュケシュの魅力
インドヨガの聖地リシュケシュ

1週間インドのアシュラムヨガ修行の生活

リシュケシュ ヨガ

アシュラムの朝

アシュラムの朝は非常に早く朝5時に起床し、瞑想や呼吸、そして鼻の洗浄を行います。この鼻の洗浄がなかなか行ったことのない体験で、ガンジス川の水(上流なので非常に綺麗ですが、冬だったので氷水です)で鼻から水を入れ、口から出します。その後、朝食を食べ朝のヨガが始まります。私のヨガのイメージはストレッチの延長程度だと考えていましたが、呼吸に始まり、ポーズ、そしてアクティブに体を動かす動きなどがあり、2時間で体は熱を帯び、驚異的なまでの爽快感があります。

アシュラムでの一日

お昼頃になると昼食を済ませ、自習の時間になります。気持ちの良い天気が続いていたので外でお昼寝をする参加者やガンジス川で瞑想をされる方などそれぞれの過ごし方があります。15時ごろからヨガの知識に関するお勉強の時間があり、それが終わると夕方のヨガの時間になります。夕方のヨガは筋トレのような負荷のかかる動きが多くて毎日筋肉痛になっていました。その後、お祈り、夕食、瞑想、などが続き20時ごろには解散になります。長い1日を終え私はガンジス川のせせらぎを聞きながら就寝しました。

一日のスケジュール

5:30 Wake-up bell 起床
6:00 Meditation 瞑想
7:00 Pranayama 呼吸法
7:15 Yoga Asana ヨガ
9:00 Breakfast 朝食
10:30 Meditative Walk 散歩
12:30 Lunch/Tea time 昼食
15:00 Lecture & Discussion 座学
16:00 Yoga asana ヨガ
17:45 Pooja プジャ
19:30 Dinner 夕食
20:30 Meditation 瞑想

インドのアシュラムヨガ修行生活での変化

リシュケシュ 食事

体の変化

ヨガ生活をしている中で自分の体にいくつかの変化がありました。一つ目は食事に対する体の反応。滞在中は体に良いものしか食べません。消化に時間のかかる肉や魚、油はもちろん加工品すらありません。そして規則正しい生活とハードな運動をしているので、食事の時間になり食前の瞑想をしている時に涎が止まらなくなるのです。人の体は単純で環境を変えるだけで動物としての反応が激変します。こんなにも自分の体を意識した生活は人生で初めてだったので、非常に感動したことを今でも鮮明に覚えています。

精神的な変化

二つ目は瞑想に慣れていくにつれ精神的な安息感を得られるようになったこと。毎日2,3時間は瞑想を行いますが最初は非常に苦痛でした。何もしない、何も考えてはいけない時間。人生はあまり体験のしたことのないような時間です。ヨガの先生は心をガンジス川とコネクトしなさい。あなたはガンジス川の一部で母なる大地を流れる小さなものだと、今感じているもの、聞こえるものになりなさいと小さな声でゆっくり復唱しています。最初の2,3日は時間が経つのをただただ待つだけの時間でしたが、後半は本当に自分が耳から聞こえて来るガンジス川の一部になったのかのように長い時間だけどもあっという間であり、寒い部屋だけど包まれているような温もりを感じれるようになってきました。生徒の中には泣いている生徒もいたぐらい、各々精神的な安息を感じていたのではないかと思います。

1週間インドのアシュラムでのヨガ修行費用

安い費用で満足

今回のインドヨガ修行では、食事は全てコースに含まれていましたしリシュケシュの山に篭って1週間過ごしたので、余計なお金は一切かかりませんでした。普段行けない場所で普段出来ないことをすることができたので非常に満足していますし、おすすめできる体験だったと思います。このインドヨガ修行コースではRYTなどのヨガ資格は取得できません。ヨガインストラクターを目指している方は1週間ヨガ修行とは別アシュラムになりますがこちらの全米ヨガアライアンスRYT200資格コースを確認してみて下さい。

費用内訳

費用 金額
受講料 60,000円
移動費 20,000円
往復航空券 70,000円
合計 150,000円

※別途インドの消費税18.00%が適用されます。

まとめ

このような体験を通じてリシュケシュでのヨガは私にとって自分自信のことを見つめ直す良い機会となりました。ただの旅行ではもの足りたい、人生で体験したのことないようなことを体験したい、そのように考えてインドに来られる方はたくさんいるとは思いますが、私はリシュケシュでのヨガアシュラムで過ごすことを強くお勧めいたします。リシュケシュでのヨガは人それぞれによって定義が異なりますが、それを見つけるような滞在も素敵なのではないでしょうか。

アシュラムに関する記事は以下をご覧ください。
リシュケシュ滞在中に発見したおすすめのアシュラム5選 

ヨガ留学に興味ある方は以下の体験談も参考にしてみてください。
【インドヨガ留学体験談】ヨガの聖地リシュケシュで心も体も健康になった30代男性がインドヨガ留学をすすめる理由
【インドヨガ留学体験談】30代女性がインドでのヨガ留学を通して得た新たな発見

ヨガと密接な関係にある食事療法の驚くべき効果とは

ヨガにおいての食事療法

食卓

ヨガの食事療法とは

ヨガをするうえで食事にも気を配りましょう。ポイントは消化に良いもの、食べ過ぎないことです。ヨガをすることで器官の働きが活発になるため消化に悪い物を摂取したり食べ過ぎたりすると体に負担がかかり腸内に未消化の状態で残ってしまいます。これにより毒素がたまり免疫力の低下、老化などを引き起こします。豆や麦、野菜などを摂取するようにしましょう。ヨガを通して食生活、身体の状態をよく知るようにしていきましょう。

食事のタイミング

ヨガをするには空腹時が良いとされています。そのため食事のタイミングもコントロールする必要があります。ヨガをする直前には食事を取れないため夜にヨガをする場合はその数時間前、または数時間後に食事を取らなければいけません。深夜の食事は体に負担がかかるため避けるのが無難です。早めに食事をして就寝時までのヨガの時間を長く取りましょう。しかし、忙しい現代人にとってこれは難しいことかもしれません。消化の良いものを選んで早く空腹状態を作るのも手です。またヨガをした後は内臓の働きが活発になっており普段以上に食事が吸収される状態になります。野菜や温かいスープなど消化に良いものがベストで水分補給も大事ですが、アルコール類の摂取は避けましょう。

ヨガと組み合わせた時に発揮する食事療法の効果

ヨガで身体に負担をかけずに程よい運動をする。そして消化に良い物を食べる。これにより腸がきれいになり、デトックス効果を引き起こす身体を作ることができます。体内の毒素や老廃物を取り除くことで免疫力が高まり病気にかかりにくくなります。
ニューヨーク発のプログラムで「畑ヨガ」というものがあります。これは心と身体を癒すための、エクササイズと農業体験を組み合わせたプログラムです。自然の中でヨガと農業を楽しみ、ヨガと相性の良い野菜を採れたてそのままで食べられるこのプログラムは近年注目を集めています。元々ヨガには体幹を鍛えたり血流を良くするなど身体的な効果に加え、リラックス効果や集中力を高めるなどの精神的効果をあります。畑ヨガは自然の中でのびのびとヨガを行うことで呼吸が深くなりより高いリフレッシュ効果が得られます。また植え付けや収穫などの農作業を4時間するとジョギング2時間分の運動量になるそうです。そしてヨガ、農業体験を終えた後はお待ちかね、採れたて野菜をいただきます。ヨガをした後は消化に良い物がベストなので、ヨガと野菜は最高の組み合わせと言えます。

ヨガと野菜の密接な関係

野菜 

ヨガ哲学においての食事の考え

インド独立の父、マハトマ・ガンディーの言葉に「アヒンサ」という言葉があります。これは一般的には非暴力という意味ですがインド並びにヨガではかなり広い意味で使われています。行為においてではなく言葉や考えいおいても他を傷つけてはいけないのです。これはベジタリアンへとつながります。動物を殺すことは傷つけることですから肉食は不適切だと見なしています。ヨガをするにあたって、肉類を少しも食べないとする必要はないですが教義的、身体的に見てもやはり野菜が適切なようです。

ヨガとベジタリアンの関係

ヨガに関する書物には「ベジタリアンにすべし」とは書かれていません。しかしヨガをする人にはベジタリアンが多いです。それは肉類は野菜に比べ消化器官への負担が大きいこと。肉類を消化するときにより多くの血液、エネルギーを消費するためヨガをするには効率が悪いということ。そして野菜と肉ではエネルギーのレベルが異なるため体内のエネルギーを一定にするためには野菜だけ食べている方が良いということにあります。さらに屠殺の問題もあります。家畜が殺される時恐怖を感じ、体内にネガティブなエネルギーが蓄積されます。その肉を食べるとネガティブなエネルギーをそのまま食べることになり、精神の安定やリラックス効果を期待するヨガにとっては適切とは言えないのです。

いきなりベジタリアンになると危険

欧米化スタイルに慣れている体で急に肉を絶ちベジタリアンになるのは懸命とは言えません。欧米化スタイルに慣れてしまっている体で極端に食生活を変えると返って体に負担がかかります。ダイエットになるからと言って実行する人がいますがリバウンドを誘発することも多いです。タンパク質不足で体力が無くなり、肌が荒れることもあります。肉、魚を少なめにし野菜の煮物や温野菜、野菜たっぷりのスープなどをメニューに入れ徐々に変えていきましょう。

自分にあった食生活を

急な変化は体へのダメージが大きいです。野菜中心の食生活の中でもたまにはタンパク質を摂取するようにしましょう。肉や魚が好きな人にとって野菜しか食べられないのはストレスがたまると思います。自分にあったメニューを組んでみて下さい。

まとめ

ヨガをすることで心と身体がリフレッシュします。またこれをきっかけに自分の食生活を見つめ直すといい発見があるかもしれません。
何事も極端にするとうまくいかないものです。自分を追い込み過ぎず、しかし締めるところは締める。楽しむところは楽しむ。バランス良く調整してヨガライフを送ってみて下さい。

世界と日本のヨガの動向とメンズヨガブームの到来

世界中で大人気のヨガ

世界のヨガ人口

「アーサナ」と呼ばれるポージングと呼吸法で心身を癒すヨガ。その語源はサンスクリット語の「ユジュ」で身体と心、魂を結びつける修行法として生まれたとされています。古代インドでは輪廻転生の解脱に至る心身の鍛錬、精神統一のために行われていました。また元々はインドの宗教に深く関係するものでしたが、現在では宗教的な部分を排除したエクササイズとして幅広く取り入れられています。日本ではヨガ人口は350万人、アメリカでも2000万人以上と年々増え続けており、世界だと3億人はいると言われています。ヨガ発祥の地、インドではヨガの大学や治療病院なども設立されています。

世界と日本のヨガ人口の比較

2004年時点での日本のヨガ人口は23万人でした。それがこの10年で15倍以上も増えています。ですがアメリカでは男女合わせて現在2000万人以上もの人口をほこり、その多くが日本のラジオ体操感覚で気軽に行っています。ただ間違ったやり方をすると身体を壊すこともあるようなので気を付けなければいけません。日本では女性の割合が圧倒的に多く男性にはまだまだ浸透していないと言えます。

日本での男性のヨガ人口

ヨガ人口が増え続ける一方で男性でヨガをする人は非常に少なく日本のヨガ人口のわずか1割です。ヨガの効果の多くは美容、エアロビクスなど女性が求めるものが連想されることが多いのです。女性のためのものというイメージが強く男性にとって近寄りづらいものになってしまっています。

世界の男性のヨガ人口と比べて

日本と違い海外ではヨガ人口の男女比はあまり差がないそうです。ニューヨークのヨガスタジオでは男女比がちょうど半々といった感じです。ジョギングや水泳と同じように日常的なエクササイズとして性別を問わず人気があるのです。

ヨガブームの背景

ヨガ 犬と

ヨガブームの火付け役

現代のヨガブームの根幹を作ったとされているのが現代ヨガの父、ティルマライ・クリシュナマチャリア。1930年代のインドではヨガを学べるのが僧侶や年配者など限られていたのですが、当時ヨガの実践と哲学を教えていたティルマライが「ヨガは万人のものだ」と言い浸透していきました。彼は4000年の歴史があるヨガを一般的に、そして近代的に伝わるように自ら探求していったのです。

ハリウッドセレブからブームに

インドでヨガを勉強していたアメリカ人が自国に持ち帰ったことから「ハリウッドヨーガ」が生まれました。従来の瞑想や呼吸法を中心にしたヨガに筋力アップやエクササイズ要素を加えたものを言います。胸筋や腹筋など胴体部分の筋肉を徹底的に鍛えることで身体全体のバランスを整えることができます。ハリウッド女優やスーパーモデル、セレブ達がこれを始めたことで注目が集まり、人気が高まりました。

日本サッカー界でも流行し始めたヨガ

2014年のブラジルワールドカップで優勝したドイツ代表は練習メニューにヨガを取り入れていました。また日本代表では長友佑都選手が『ヨガ友』と題して代表の宿舎でチームメイトとともにヨガに取り組みなど広がりを見せています。ヨガが体幹の安定や柔軟性のアップ、休息の質などを高めることは有名ですが、専門知識の理解は不可欠です。そこで日本におけるヨガの第一人者、ケン・ハラクマ氏によりアスリートのパフォーマンスをアップさせるためのプログラム作りや指導者養成に取り組むアスリートヨガ事務局が立ち上げられました。今後もサッカーだけでなく様々なスポーツでヨガは取り入れられていくでしょう。

メンズヨガブームの到来!?

男性には敬遠されてきたヨガですが、メンズヨガの人気も近年伸びてきています。効果的なトレーニング法として認識され始めていること、自然と身体と心の調和を目指すヨガはどことなくお洒落なイメージがあることが要因で男性にも注目を集めているのでしょう。

まとめ

仕事に追われるビジネスマンや家事が忙しい主婦、アスリートにとってヨガは手軽に始められる負荷の少ないエクササイズとして人気を高めています。今後も老若男女問わずヨガ人口は増えていくでしょう。

世界中の女性がヨガを支持し続ける4つの理由

ヨガダイエット

女性 エクサザイズ

世界中を巻き込むヨガブーム

近年、ヨガは一大ムーブメントを巻き起こしています。他国と比べると日本はまだまだヨガ人口が多いとは言えない現状、多くの女性がヨガをエクササイズとして取り入れています。彼女たちがヨガをやる大きな目的は『ダイエット』です。では、なぜヨガは他のエクササイズなどと並ぶほど行われ、多くの女性に選ばれているのでしょうか。

ヨガとは

そもそもヨガとは一体なんなのでしょうか。他の記事でもなんども書きましたがここでも簡単に説明していこうと思います。ヨガの発祥地はインドの北にある街リシュケシュです。歴史はとても古くはっきりとした起原は判明してないのですが今から4000年〜5000年前であると言われています。そして仏教やバラモン教(ヒンズー教)などと影響を受け合いながら、修行法などとして発展していきました。当時のヨガはエクサザイズではなく精神統一により五感や意識を完全にコントロールされた状態(瞑想)を目標にしていました。現在では、ハリウッドセレブの間で流行した事などをきっかけに、メディアなどにも取り上げられブームになり世界中へと広がっていきました。ダイエット方法の一つとして、エアロビクスと同様にフィットネスクラブなどで導入しているところも多くあり、人気のエクササイズとして定着してきています。

女性がヨガを選ぶ理由

女性にヨガが人気な理由

世界のヨガ人口の男女の割合は周知の事実ですが圧倒的に女性が多いです。いまやヨガは女性のエクササイズを代表するものとなったといっても過言ではありません。ではなぜ多くの女性からヨガはこれほどまでに支持されているのでしょうか。

ダイエット効果

もちろんヨガはダイエットにおいても大きな効果があります。ランニングや他のエクササイズに比べてヨガはゆったりとした動きで、見た目にあまり派手さがありません。しかし実際にやってみるとすぐにわかるのですが実はヨガのゆったりとした動きは見た目の地味さとは違い筋肉への負荷がかなりあります。ヨガは筋肉を効率良く動かし、そして呼吸法が合わさることによりかなりの脂肪燃焼が促進されます。

スタイルの改善

女性は一生涯、体の悩みは尽きず、常にスタイルを維持すること、きれいにみられることを意識して生活しています。そのような点においてヨガは最適なエクササイズだとされています。ヨガは外面の筋肉ではなくインナーマッスル。内部の筋肉を燃焼させ鍛えます。インナーマッスルを鍛えると肥満防止やダイエット効果、内臓脂肪やコレステロールの低下などの効果が期待できます。

精神面にも効果的

ヨガは他のエクササイズと比べると非常に身体面、精神面ともにバランスの良いエクササイズであると言えます。精神面において効果的なのが呼吸。ヨガは腹式呼吸とともに行う運動です。初めのうちはポーズをとることに必死になり呼吸を意識することは大変ですが、次第に呼吸を意識することを自然とできるようになっていきます。常に呼吸を意識して行うだけで心は「無」の状態になます。これは座禅などと同じで何も考えないという時間が高いリラクゼーション効果をもたらしてくれます。他にも高い集中力が身につくことも期待できます。呼吸法などにより効果が得られるのは筋肉トレーニングなどにはないヨガの特徴と言えます。

ヨガの気軽さ

どうしても筋トレや運動前は面倒臭い気持ちなどがおきることもあり、また始めようにも費用がかさむ場合があいますよね。しかしヨガは「いつ」「どの場所」からでも行えるというのが良い点です。ランニングだと天候に左右されやすく雨などが降っていると中止になり、そしてそこからサボり癖がついてしまうなんてことも起こりうるケースです。ヨガはストレッチに近くリラックス効果もあるエクササイズなどで気軽に行うことができ、かつ自分のペースで行うことができます。また朝起きてベッドに入りる状態のまますぐにおこなえるポーズもあります。そして必要なものはヨガマットがあればいいぐらいでその上、必須ではありません。屋内で時間も費用もかけずにリラックス効果が期待できるのがヨガの魅力です。

まとめ

今回でなぜヨガが多くの女性に選ばれているのかがわかっていただけたと思います。ヨガは有酸素運動と違い、ゆったりとした動作と呼吸法で行う運動です。サンスクリット語でヨガは「つながり」を意味し、心、身体、魂のつながりを意味します。ヨガにより呼吸法と緩やかな動作を用いて身体と内面からアプローチしダイエット効果を期待できます。5000年もの伝統あるヨガは時代を超えて、常になにかに追われ、時間がなくストレスを抱えやすい現代社会にフィットしたエクササイズだといえます。